貴重な文化財や芸術資源を継承し、未来の創造につなげていくためには、文化芸術の創作・保存・活用などに携わる人材の育成が必須となります。近年、ESD教育(Education for Sustainable Development, 持続可能な開発のための教育) の推進や学習指導要領の改訂に伴い、伝統・文化に関する教育を充実させる動きが高まっており、またゲーム・アニメといったエンタメ分野と博物館などとのコラボレーションも盛り上がりを見せています。その一方で、博物館では予算や人材不足の常態化が指摘されており、最近では研究や資料保存のための資金調達を目的としたクラウドファンディングも大きな話題となりました。
博物館や学校などでは様々な教育プログラムが開催されていますが、文化芸術の担い手の裾野をさらに拡大していくためには、これまでに実践されてきた取り組みを分析・評価し、新たな視点で捉え直すことが重要と考えられます。そこで本講演会では、文化財活用センターの藤田千織氏をお招きし、東京国立博物館で行われてきた教育プログラムについてご講演いただきます。また話題提供として、本学未来創造継承センターの倪雪氏より、「遊び」と「学び」の視点から、中国での文化芸術を対象とした教育プログラムの最新動向をご紹介します。
【日時】2024年1月10日(水)18:30〜20:30
【配信方法】zoomによるライブ配信(事前申込制、先着50名)
※アーカイブ配信は予定しておりません。
【参加申込】以下のフォームよりお申し込みください。
※フォームに記入いただいたメールアドレスに、当日朝までにzoomアドレスをお送りします。
定員に達したため、受付を終了いたしました。 多数のお申し込みありがとうございました。
【講演内容】
藤田 千織「ミュージアムで学ぶということ~東京国立博物館を例に~」
さまざまなミュージアムで行われるワークショップなどの教育プログラム。その背後にはどのような考え方があり、どのように組み立てられているのか。東京国立博物館で行われてきた教育プログラムや体験型展示を例に、ミュージアムにおける教育普及活動の基本のキについてお話しします。
倪 雪「遊びから始まる学び~中国の文化芸術分野における動き~」
近年、博物館を含む中国のさまざまな⽂化施設・機関では、インタラクティブ性を重視したイベントやミュージアムグッズが注⽬されています。「遊び」を通じて、⽂化芸術や収蔵コレクションを紹介することで、中国の若者の参加や関⼼を引き寄せた事例をいくつか紹介します。
【講演者プロフィール】
藤田 千織(文化財活用センター・企画担当課長)
武蔵野美術大学視覚伝達デザイン学科卒業。Bank Street College of Education(米国・ニューヨーク)博物館教育学修士課程修了。国立西洋美術館学芸課教育普及室勤務ののち、東京国立博物館へ。博物館教育課 教育普及室およびボランティア室研究員、そして教育普及室長としてスクールプログラム、ファミリープログラム、ガイドアプリ「トーハクなび」制作、教育展示「親と子のギャラリー」、ボランティア・コーディネーションなどに携わる。2022年より現職。
倪 雪(東京藝術大学未来創造継承センター・教育研究助手)
東京藝術大学大学院先端芸術表現専攻修士課程修了。地域の抱える課題にイベント企画、フィールドリサーチ、実践的参加などによって、日中協働可能な視点からアプローチしている。2022年より現職。
【スケジュール】
18:30〜18:40 趣旨説明・田口 智子(東京藝術大学未来創造継承センター・特任准教授)
18:40〜19:40 特別講演「ミュージアムで学ぶということ~東京国立博物館を例に~」藤田 千織(文化財活用センター・企画担当課長)
19:40~19:45 休憩
19:45〜20:00 話題提供「遊びから始まる学び~中国の文化芸術分野における動き~」倪 雪(東京藝術大学未来創造継承センター・教育研究助手)
20:00〜20:30 ディスカッション・質疑応答(登壇者:藤田 千織、倪 雪、飯岡 稚佳子(東京藝術大学大学美術館・学芸研究員)、司会:田口 智子)
20:30 閉会
※当⽇の進⾏の都合でスケジュールが前後する可能性があります。
【お問い合わせ】
東京藝術大学未来創造継承センター(担当:田口)
future@ml.geidai.ac.jp