楽器は一般的に、音楽演奏のために使用されるものと定義されています。では、博物館や資料館などのアーカイヴ施設に収められた、演奏することのできない楽器にはどのような意味があるのでしょうか。浜松市楽器博物館、国立音楽大学楽器学資料館より二人の学芸員さんをお招きし、楽器の展示の方法、楽器を使った研究や教育など、楽器が持つ可能性についてお話を伺います。
音楽の知識は問いません。演奏家、学芸員、研究者、教師など、楽器を扱う、あるいは扱ってみたいすべての方を対象としています。一般の方の聴講も可能ですので、奮ってご参加ください。
日 時:2024年6月15日(土)14:00-15:30(開場13:30)
※シンポジウム後、ご希望の方は小泉文夫記念資料室ツアーにご参加いただけます(終了目安時刻16:15)
場 所:東京藝術大学上野キャンパス・国際交流棟3F コミュニティサロン / zoomによるオンライン配信(※演奏・ツアーの配信はありません)
言 語:日本語
主 催:東京藝術大学未来創造継承センター、小泉文夫記念資料室
助 成:JSPS科研費23K18604
参加方法:以下のお申込みフォームから参加登録をお願いいたします。(定員を超えたため、現地参加の募集は締め切りました。zoom参加は先着順50名に達し次第、締切ります)
https://forms.gle/364nQ3ZMoCYvF7vp6
講 演:石井 紗和子(浜松市楽器博物館 学芸員)
「楽器を展示する−「音を出す道具」を超えて」
キュレーターとして、音楽と楽器から文化や社会について考える場づくりを試みる。2020年より浜松市楽器博物館に勤務。これまで担当した展覧会に「発見!楽器の動物園」「どうする 江戸の音楽」など。上智大学国際教養学部卒業、東京藝術大学大学院国際芸術創造研究科アートプロデュース専攻修了。
〈浜松市楽器博物館〉
1995 年に開館した、日本唯一の公立楽器博物館。 『世界の楽器を偏りなく平等に扱う』をコンセプトに、約 1,500 点の楽器を常設展示しています。企画展やレクチャーコンサート、視聴機器による音の紹介と職員による展示解説、体験ルームでの演奏体験を通して、「みる・きく・ふれる」ことができる博物館です。
講 演:不動 真優(国立音楽大学楽器学資料館 学芸員)
「楽器の保全と活用− 求められる当時の音色への対応」
国立音楽大学卒業。2012年より国立音楽大学楽器学資料館に勤務。大学施設にて楽器資料を保全する環境を整えるべくIPMについて学び、2019年に公益財団法人文化財虫菌害研究所の研修会で取り組み事例を発表するなど、楽器の保全および教育的活用に注力して業務を遂行する。現在主任学芸員を務める。
〈国立音楽大学楽器学資料館〉
音楽研究に必要とされる楽器に関する資料を整えるという方針に基づき、名器・骨董的価値よりも地域・年代に偏りのない系統的な楽器の収集を基本としています。また楽器の展示公開、保全・修復、調査・研究および資料集の制作、講座・ワークショップ・コンサート等を実施しています。
講演 / 演奏 / 司会:酒井 絵美(東京藝術大学未来創造継承センター特任助教 / 音楽家)
「ヴァイオリンが教えてくれること− クラシック音楽と民族音楽の垣根を超えて」
東京藝術大学大学院音楽研究科音楽文化学(音楽民族学)専攻修了。専門は、世界各地で使われるヴァイオリンに関する研究及び演奏。主な出演は、NHK、NRK(ノルウェー国営放送)、ラ・フォル・ジュルネ TOKYO 2017・2024、Kinck dagane 2019(ノルウェー)。著書に『中東世界の音楽文化~うまれかわる伝統』。
〈小泉文夫記念資料室〉
当資料室では、世界音楽を精力的に研究紹介した、小泉文夫東京藝大前教授(1927-1983)の音楽コレクションをご覧いただけます。楽器、録音、書籍など、すでに現地では入手できない貴重な資料も含まれます。音楽を介した心の交流を図った教授の研究遺産を、ぜひ間近でお確かめください。
問合せ先:東京藝術大学 未来創造継承センター(担当:酒井)
future@ml.geidai.ac.jp