東京・日の出町でのフィールドワーク、社会人参加者募集中!
東京藝術大学の学生たちと東京・日の出町でのフィールドワークを実施し、そこでの学びや体験の成果を東京藝術大学・陳列館にて展示発表する実践型の講義を行います。有楽町藝大キャンパスでは、この講義の社会人参加者を募集しています。
詳細な情報は下記のPeatixサイトからご確認いただけます。
https://hinodecho-research-2025.peatix.com/
東京都は、総面積の4割が森林で、うち7割が多摩西部に偏在します。都市と山林の境界に位置する日の出・あきる野に赴き、山林地域のくらしや自然環境に触れるフィールドワークを実施します。地方と都市の関係や差異・問題を再認識し、藝大生をはじめとした各々のバックグラウンドのもとに、東京のエコロジーを解釈し、7月に行う藝大陳列館での展示発表の内容を共に考えます。
概要
期間:2025年5月-8月
募集人数:10名程度(先着順)
参加費:52,000円(税込)
※宿泊費、食費、交通費が別途かかります。
お申し込み:先着順
申し込み期間:2025年4月23日(水)17:00~5月12日(月)23:59
お申し込みはPeatixイベントサイトから
有楽町藝大キャンパスについてはこちらから
https://yurakucho-geidai-campus.jp
主催:東京藝術大学大学院国際芸術創造研究科 毛利嘉孝研究室 /美術学部デザイン科/未来創造継承センター
協力:有楽町藝大キャンパス(東京都・東京藝術大学・YAU)/社会福祉法人志正会 大久野保育園/
耕雲山 天正寺/西多摩郡日の出町民の皆様
お問い合わせ:有楽町アートアーバニズム YAU(arturbanism.learn2024@gmail.com)
湯澤大樹(東京山藝術大学学長)
「東京」と聞いて何を思い浮かべるでしょうか?
一般には、高層ビルが立ち並び、人と自動車、そして情報が溢れるビジネスとエンターテイメントのグローバルな大都市のイメージでしょう。
けれども、実はそうした東京のイメージは、一面的な見方によって浮かび上がった「東京」にすぎません。実際の東京都の総面積の4割は森林で、その大部分は多摩地区に位置しています。こうした森林地区には、都市としての東京を支える水源があり、木材が生産され、食や住のインフラストラクチャーを供給してきました。大都市というイメージの「東京」は、東京の中にある「山」や「森林」、「水」、そして「自然」という基盤のもとに作られてきたのです。
東京山藝術大学は、「山」や「森林」、「自然」の場所として東京を捉え直し、それが都心部を含む東京という生態系をどのように作っているのかを探り、可視化するプロジェクトです。これは、現在の私たちが前提としている「東京」の生活、職場、労働、余暇、都市と自然の関係、そして経済や文化とは異なったもう一つの「東京」の可能性を考えることです。このことを通じて、しばしば批判的に語られる「東京/地方」という二項対立や「東京一極集中」という議論に対して、山や森林を中心とした別の「東京」の可能性を示すことができるかもしれません。
そして、森林や山を中心に東京を見ることは、都市的な文化として語られがちな芸術、アートの定義を変えることも要求するでしょう。東京山藝術大学は、有楽町と上野、そして多摩地区の日の出町を繋ぎ、フィールドワークや講義、ディスカッション、そして、その調査のアーティスティックなアウトプットとしての展覧会企画を通じて、もう一つの「東京」と「芸術」を探そうという試みです。
講師
湯澤大樹
東京藝術大学 デザイン科 テクニカルインストラクター
3D技術を用いた社寺文化財や伝統工芸の保存継承活動をおこないつつ、宗教学・図像学をもとに制作・社寺研究をおこなう。拠点を移した東京・西多摩郡日の出町において、藝大・不忍荘の解体材や地場産材を利用した文化拠点・交流事業をつくる日の出アートビレッジ・プロジェクトを開始。住民や学生と共同で、多摩産材による自主建築、ワークショップや自然農法などを実施中。
毛利嘉孝
東京藝術大学大学院 国際芸術創造研究科 アートプロデュース専攻 リサーチ領域 教授
社会学者。文化/メディア研究。京都大学経済学部卒。ロンドン大学ゴールドスミス・カレッジPh.D.(社会学)、MA (メディア&コミュニケーションズ)修了。特にポピュラー音楽や現代美術、メディアなど現代文化と都市空間の編成や社会運動をテーマに批評活動を行う。主な著書に『文化=政治 グローバリゼーション時代の空間叛乱』、『バンクシー アートテロリスト』『ストリートの思想 転換期としての1990年代』、『はじめてのDiY』、『増補 ポピュラー音楽と資本主義』。