即興演奏や実験的な音楽領域で活動する学内外の演奏家や関係者らの実践を記録して発信するラジオアーカイブプロジェクト
少し変わっている即興演奏やジャンルに関係なく実験的な実践に興味がある方々へ。今日ひっそりとしかし至る所で起きているマイナーな活動たちの情報を記録して継承することに関心のある方々へ。ぜひご視聴ください。
NEW! 第5回(後編) ゲスト:細井徳太郎
即興演奏を聴くことについて、即興的な音楽実践の記録物への多様な向き合い方などについてお話を聞いています。
本編はこちら
第1回(前編) ゲスト:石橋鼓太郎
2024年7月より始まったこの企画の趣旨などについて話しています。
6:40 東京藝術大学音楽環境創造科
6:45 東京藝術大学国際芸術創造研究科
7:50 小泉文夫記念資料室
16:10 下道基行 瀬戸内「 」資料館
21:30 細井美裕 Lenna
第1回(後編) ゲスト:石橋鼓太郎
石橋さんの研究活動を中心に、だじゃれ音楽祭の実践や即興演奏とアーカイブの関わり方などについて話しています。
5:40 野村誠
6:05 だじゃれ音楽祭
第2回(前編) ゲスト:宮坂遼太郎
ゲストは打楽器奏者の宮坂遼太郎さん。2024年6月8日に水道橋Ftarriにて行われたライブの記憶を辿りながら、即興演奏と関わることになったきっかけなどについてお話を聞いています。
2:20 『宮坂遼太郎 3 Days』(水道橋FtarriのHPより)
6月8日 (土) 午後7時30分開場、8時開演
ビリージーン (アルト・サックス)、岡千穂 (オーディオ・ミキサー、ほか)、宮坂遼太郎 (パーカッション、ほか)
主催:宮坂遼太郎
6月9日 (日) 午後7時30分開場、8時開演
潮田雄一 (ギター)、宮坂遼太郎 (パーカッション、ほか)
主催:宮坂遼太郎
6月10日 (月) 午後7時30分開場、8時開演
嶺川貴子 (シンセサイザー、ガラス・チューブ、ヴォイス、ほか)、宮坂遼太郎 (パーカッション、ほか)
主催:宮坂遼太郎
2:40 水道橋Ftarriでは必ずしも即興演奏に限らず、作曲作品もたびたび披露されている。実験精神のある音楽を幅広く取り上げる都内のライブスペースの一つ。
16:50 渋さ知らズは、ベーシスト不破大輔を中心とするビッグバンド。1989年結成。フリージャズを基盤としながら、ロックやフォークなど様々なジャンルを横断し、ダンサーや役者なども入り混じる多彩な音楽性を追求し続ける。
18:05 収録後のゲストの回想によると、「フリー・インプロヴィゼーション」を語る上で欠かすことのできない演奏家でイギリス出身のギタリストデレク・ベイリー(Derek Bailey)の演奏だけが、即興演奏を始めた頃の重要な影響源となったわけではなく、むしろベイリーとスコットランド出身の打楽器奏者ジェイミー・ミューア(Jamie Muir)の共演盤『Dart Drug』(Incus Records, INCUS41, 1981)を挙げられるとのこと。「改めて聴いたら今もしっかり影響を受けていて、自分の基礎になって(しまって)いるなと感じます」。
第2回(後編) ゲスト:宮坂遼太郎
宮坂さんが大学や大学院を過ごす中で音楽をすることをどのように考えていたか、活動の幅が広がるなかで即興演奏の活動、生活、キャリアのことなどについて話しています。
3:15 橋の下世界音楽祭(火付ぬ組、SOUL BEAT ASIA)は、2012年9月より愛知県豊田市の豊田大橋下にて開催されてきた音楽祭。音楽レーベルmicroActionとバンドTURTLE ISLANDを中心とした「橋の下世界音楽祭実行委員会」によって運営されており、様々なジャンルの音楽やパフォーマンスが行われる。
9:00 ゲストの後述によると、大学院時代には音楽と助成金以外にも、塾講師、フリースクールのサポーター、商業施設の警備員など様々なバイトで生活費や活動費を得ていたとのこと。
13:55 小杉武久(1938−2018)は、作曲家・演奏家。東京藝術大学楽理科卒。塩見允枝子,刀根康尚,水野修孝らと1960年に「グループ・音楽」を結成、(集団)即興演奏に取り組む。その後、前衛芸術運動集団フルクサスへの参加や、「Collective Music」、「タージ・マハル旅行団」を結成。アメリカへ移住したのち「マース・カニングハム舞踊団」の作曲家/演奏家として,ジョン・ケージ,デイヴィッド・テュードアらと活動。多彩な分野で幅広い足跡を残した。
18:00 なお後述によると、ゲストはコロナ禍中だった2021年のフジロックフェスティバルにSouth Penguinと折坂悠太(重奏)という二つのバンドのパーカッション担当として出場予定だったが、結果的に折坂悠太(重奏)は出演を辞退し、South Penguinでは出場するという状況になった。この事態に関する折り合いの付け方に苦慮したことが大きく影響し、「権威としてのフジロック」をゲストに意識させるようになったという。加えて、いつかまた同様の事態が生じた時のためにも振り返ってまとめておく必要があると考えているが、一方これについて考えるにあたって「あちらを立てればこちらが立たず」ということで書きづらい部分も多く、また弱い立場の個人事業主である人間がなぜこんなに振り回されなければいけないのかという気持ちが生じてしまうことや、当時協働者たちときちんと話し合えてなかった部分も確実にあり、かつ記憶が抜けている点があることなども影響して今のところ非常にまとめづらい、とも述べている。
第3回(前編) ゲスト:本藤美咲
特殊な編成のバンドや異なるジャンルのアーティストと即興実践するときの姿勢、演奏家とリスナーの関係についての考えなどについてお話を聞いています。
3:00 入谷?浅草?合羽橋? 『なってるハウス』は東京下町のギャラリー&ライヴスペースです。(なってるハウスのHPより)
2024年6月26日(水)
Open 19:00 start 19:30
特殊奏法よん/ 立花秀輝(sax) 北陽一郎(tp) 高橋保行(tb) 本藤美咲(sax)
管楽器特殊奏法を中心にしたディープなセッション。AS,TP,TB,BSなよんです。(小)
3:30 特殊奏法よんは、「木管楽器×2+金管楽器×2という少し珍しい編成であり、奏者全員が特殊奏法を駆使しアンサンブルする事を目的に結成された大変珍しいグループ。楽器本来の音色に加え、特殊奏法による奇妙な音の織り成す不可思議な空間を演出する、世界でも類を見ない四重奏である。」(本藤美咲HPより)
12:50 バストリオ / Busstrioは、「パフォーマンス作品を制作するコレクティブ。2010年立ち上げ。メンバーは今野裕一郎(主宰/演出家/映画監督)、橋本和加子(パフォーマー/制作)、黒木麻衣(ペインター)、坂藤加菜(パフォーマー)、中條玲(パフォーマー/制作)。」(バストリオHPより)
第3回(後編) ゲスト:本藤美咲
本藤さんが学内外で即興演奏のシーンに関わることになったきっかけ、サウンドペインティングをはじめとする集団即興演奏の可能性などについてお話を聞いています。
1:40 新宿ピットインは、老舗のジャズクラブ。1965年に開店し、拡張や移転を経て、現在は新宿三丁目の地下にある。昼の部と夜の部の2部構成でライブが行われる。日本のジャズシーンをリードし続けるライブスペースの一つ。
4:05 サウンドペインティング(Soundpainting)は、ミュージシャン、俳優、ダンサー、ビジュアルアーティストのための普遍的で学際的な即興作曲のためのサイン言語で、1974年ニューヨークのウッドストックにてフランスの現代作曲家Walter Thompsonによって考案された。2024年現在、その言語は、サウンドペインター(作曲家)がパフォーマーに期待する素材を示すための1500以上のジェスチャーによって構成されている。・・・サウンドペインティング言語のジェスチャーは、誰が、何を、いかに、いつという構文によって表現される。ジェスチャーには様々な種類があり、演奏される特定の素材を指示するもの、特定のスタイル、ジャンル、偶然性のコンセプト、即興、規律、ステージの位置、衣装、小道具などそのほか多くのものを指示するものもある。(https://www.soundpainting.com/soundpainting/より)
4:15 Walter Thompsonは、サウンドペインター、作曲家、木管楽器奏者、ピアニスト、打楽器奏者、教育者であり、作曲家としてだけでなく、普遍的で学際的な即興作曲のサイン言語であるサウンドペインティングの考案者として国際的に知られている。(https://www.soundpainting.com/walter-thompson/より)
6:30 「コブラ」(Cobra)は1984年にJohn Zornによって考案された。名前はある戦略ゲームに由来している。・・・「コブラ」は典型的な意味での作曲ではない。それはある種のシステムであり、そこで各演奏者はハンドサインを用いて様々な演奏状況を作り出したり、文脈の制限の中で即興演奏をすることができる。(「Peter Watrous July 1986」『COBRA』John Zorn, hat ART, CD 2-6040, 1991.)
7:30 Santiago Vazquezは、ミュージシャンであり、多様な楽器の奏者、作編曲家、プロデューサー、研究者、文化プロジェクトの仕掛け人。バスケスは、瞬間的にリズミカルな即興と作曲を指揮することができる「リズム・ウィズ・サイン」(Ritmo con Señas)の言語を発案、発展させ、La Bomba de Tiempo、La GrandeやPANといった彼のグループにおいてそれを実践してきた。その言語は現在、30を超える国々において数多くのミュージシャン、グループ、教育者、音楽療法士らによって実践されている。(https://santiagovazquez.com/bioより)
第4回(前編) ゲスト:村上巨樹
ギタリスト・作曲家の村上さんが盛岡で実施している「周縁音楽」に関するリサーチ、地方都市においてマイナーな音楽で活動を続けていくことについて、ミャンマー音楽文化に興味を持つきっかけになった「ミョウマ楽団」の演奏とミャンマー古典音楽の特徴の詳細などについてお話を聞いています。
2:00 2024年7月14日(日)@岩手県公会堂21号室(岩手県盛岡市内丸11-2) 出演:te_ri、Onnyk(管楽器各種+α)+片山貴志(dr) 開場18:30 開演19:00
2:40 Pwal! Pwal! Pwal!はミャンマーの文化芸術を紹介するイベント。ミャンマーの魅力を伝え、コロナ禍とクーデータで苦境に立たされている同国に寄り添う仲間を増やしたいとの企画者の思いより、2021年9月に開催された。
4:30 盛岡”周縁”音楽史:「この連載は、盛岡”周縁”音楽シーンに携わる複数の人物にインタビューを行い、その歴史や舞台裏を解き明かすものだ。「面白い人間がいればその町は面白くなる」とよく言うが、盛岡はその好例である。」(「盛岡”周縁”音楽史 序文」https://cadisc.main.jp/blog/より
26:50 ミョウマ楽団(Myoma Amateur Music Association)は、1925年に結成。「ミャンマーを代表する国民的な楽団。中心人物はミュージシャンで作曲家のMyoma Nein。西洋のビッグバンドとミャンマーの民族楽器を同居させた、ミャンマーを代表する天才音楽家。そんな編成はもとよりサウンドも独特。西洋音楽にはほとんど準拠していない。」(村上巨樹『ミャンマーCDディスクガイド 古典歌謡からEDMまで』株式会社ローラーズ、2024年、97)
ミョウマ楽団による演奏はこちら(https://www.youtube.com/watch?v=5Rqro9n8kpI)
30:52 サウンガウッは、いわゆるビルマの竪琴として知られるミャンマー文化を代表する楽器の一つ。「弓状の竪琴で、一般的にサウンと呼ばれている。サウンは『琴』、ガウッは『曲がった』の意。弦の本数は16で(かつて13弦や14弦などもあった)、弦を弾く際は右手の親指と人差し指を用いる。」(同上、6)
第4回(中編) ゲスト:村上巨樹
ミャンマーでレコードやCDなどをどのように収集してきたか、ミャンマーの古典音楽やポピュラー音楽と出会う方法などについてお話を聞いています。
3:55 ミャンマーでは2021年2月1日に同国国軍によるクーデターが起こされた。国軍は、全土に非常事態を宣言、国家の全権を掌握したと表明し、アウン・サン・スー・チー国家顧問率いる政権は転覆することとなった。以降、政治経済状況は不安定化し続けており、軍の圧政に対する市民や少数民族による抵抗やデモ、ストライキなどが2024年現在も続けられている。東京藝術大学では2022年に大学美術館 陳列館において、軍の弾圧によって犠牲となったミャンマーの人々に迫る「Masking/Unmasking Death 死をマスクする/仮面を剥がす」(https://museum.geidai.ac.jp/exhibit/2022/05/aai-art&democracy-masking-unmasking-death.html)が開催された。
5:15 今回のインタビューではビルマ族の音楽を中心にミャンマーの音楽文化が解説された。ただしミャンマーの音楽を語る上ではそもそもミャンマーが多民族国家であり、少数民族にはビルマ族とは異なる音楽文化が多数存在することについて十分留意すべきである。例えば、村上氏の著作でも「モンは笙や法螺貝を用い、カレンには6弦の竪琴があり、ナガには合唱がある」ことなどが語られている。(村上巨樹『ミャンマーCDディスクガイド 古典歌謡からEDMまで』株式会社ローラーズ、2024年、7)
7:50 サインワインとは、「複数の楽器 / 複数の奏者で構成された楽団である。楽団そのものをサインワインと呼び、楽団の中心的存在である環状音階太鼓のこともサインワインとも呼ぶ(パッワインとも言う)。・・・サインは「吊るし紐」、ワインは「丸い」「円形をしている」の意。」(同上、6)
第4回(後編) ゲスト:村上巨樹
ミャンマーで演奏家として活動すること、現地でマイナー音楽に取り組むミュージシャンとの関わりなどについてお話を聞いています。
14:50 フェスティバル・ビヨンド・イノセンスは、ギタリスト内橋和久が主催の即興/実験/前衛音楽を中心とした大規模な音楽イベント。1996年から途中1回の休止を挟んで2007年まで続いた。各回3~4日間開催され、数十名に及んだ出演者の中には国内外問わず今日の様々な音楽領域で活躍する演奏家がおり、ゼロ年代以降の関西の音楽シーンに大きな影響を与えた。
第5回(前編) ゲスト:細井徳太郎
2024年9月に都内の映画館で行われたパフォーマンスをめぐる考えを中心に、即興演奏を作り上げるための姿勢や考え方についてお話を聞いています。
本編はこちら
1:40 『平家物語 諸行無常セッション』 出演:古川日出男、坂田明、向井秀徳 監督・撮影・編集:河合宏樹
2024年9月12日 【パフォーマンスセッション】 「女性視点の平家物語と永遠少女朗読、 歴史ある映画館を鳴らす」
キュレーション:細井徳太郎&河合宏樹 朗読:青柳いづみ(俳優) 演奏:細井徳太郎(エレキギター)、宮坂遼太郎(打楽器)、山本達久(物音)
平家物語は、男たちだけの戦記ではない。戦に翻弄されながら生き抜いた女たちの物語でもある。そのナラティブを語る俳優・青柳いづみによる朗読に、打楽器とギターのセッションが重なる。映画館全体を使い、歴史を立体化させる。戦や災いがいまだ絶えぬ現世に響くべき言葉と音を探す一夜。(平家物語 諸行無常セッション 公式HPより)
28:22 大友良英 PITINN 年末4デイズ8連続公演 細井徳太郎 キュレートセット 12月28日(Thu)Open14:30 / Start15:00 MEMBERS 久場雄太(俳優)荒 悠平(ダンス)細井徳太郎(G,Vo,キュレーション)君島大空(G,Vo)高橋佑成(P,Synth)大友良英(G)(新宿Pitinn HPより)
OP & ED
Lenna(2019)
Concept&Voices&Recorded : Miyu Hosoi
Composer : Chikara Uemizutaru
Mixed : Toshihiko Kasai(studio ATLIO),Misaki Hasuo
Mastered : Moe Kazama(studio ATLIO)
Recording assisted : Akihiro Iizuka(studio ATLIO)
3D Audio Designer : Misaki Hasuo
3D Sound System : Jiro Kubo(acousticfield)
(P)Salvaged Tapes
幅谷和眞(未来創造継承センター 特任助教)
1992年生まれ。大阪大学大学院言語文化研究科言語文化専攻修了。桜美林学園学園史編さん室専門調査員を経て、現職。アートプロジェクトを中心に、ジャンルを問わず幅広い芸術実践における情報管理・記録・史料活用の課題に取り組む。
石橋鼓太郎(東京藝術大学 大学院国際芸術創造研究科 専門研究員)
1993年生まれ。東京藝術大学大学院国際芸術創造研究科アートプロデュース専攻博士後期課程修了。博士(学術)。専門はアートマネジメント、音楽人類学。非専門家が参加する実験音楽や即興音楽を主な対象として、異なる背景を持つ人々の関わり合いの中で音楽が立ち上がる過程に関心を持ち、研究・マネジメント・中間支援・演奏などさまざまな立場から実践に携わっている。
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未来創造継承センター(幅谷)